鹿児島市の西部に位置し、周囲は緑と桜島を望む自然環境に恵まれた場所にある。
基本的な考え方として、この施設を利用する入居者にとって、入居者がこれまで送ってきた家庭生活の延長として、人生の終の棲家となるよう高齢者に優しいアットホームな癒しの場となるように考えた。


全室個室のユニットケア型特別養護老人ホーム-特養 5ユニット×10床、ショートステイ 1ユニット×10床、デイサービス30名-は、光庭を設けることで入居者の生活の中に自然-明るい自然の光、南国の風-を取り込んだ。また、3ヵ所の光庭を介して目線がよく通り入居者間のコミュニケーションとユニット間の介護の関係性を高めるようにした。


2,3階のユニット構成はセミプライベートスペース-リビングダイニング・談話・テラス-を中心にプライベートスペース-個室-を配置した。建物周囲にはバルコニーを回し、入居者のリハビリを兼ね展望を楽しむことができる。


プライバシーに応じた段階的な空間構成により入居者が様々に『自分の居場所』を見つけながら自発的な行動範囲を広げ、人々とのコミュニケーションの広がりを考えた。

1階はパブリックスペースとして地域の人々の交流の場-地域交流スペース・デイサービスセンター等-を設けた。

維持管理については、屋根の大きな深い庇やバルコニー、木製ルーバーを設けることにより、南国の強い日差し、桜島の降灰や台風等の強い風雨を防ぎ、空調負荷の低減を図ると伴に、建物の耐久性を高めることでメンテナンスコストを抑える。